~本庄歴史探訪 老舗15代目が語る本庄宿と埼玉の偉人・渋沢栄一翁~
◆戸谷八商店での「本庄すまいる日和2023-秋冬版-」
【開催日】:
2023年11月19日 (日) ①10:00~11:30/②13:00~14:30
【場所】:
戸谷八商店(埼玉県本庄市中央1-7-21)
【テーマ】:
『本庄歴史探訪 老舗15代目が語る本庄宿と埼玉の偉人・渋沢栄一翁』
中山道最大の宿場町だった本庄宿。全国でも有数の養蚕地域だった埼玉県の県北地域。今回は戸谷八の歴史建物などの見学に加えて、渋沢栄一翁が2024年から新一万円札の顔になることを祝して、栄一翁と縁が深い本庄宿の旧家「諸井家」に関連する場所(戸谷八の近くのみ)なども皆様と巡ってみたいと思います。諸井家からは、秩父セメントを創業した大実業家や外交官、作曲家、芸術劇場館長など、多才な方が輩出されています。
【各回定員】:4名
※「本庄すまいる日和」については、「本庄市HP」のこちらをご覧ください。
先日、戸谷八商店にて『本庄すまいる日和』の一環として、「本庄歴史探訪 老舗15代目が語る本庄宿と埼玉の偉人・渋沢栄一翁」と題したゼミを開催しました。
「本庄すまいる日和」とは、本庄市がもっている豊かな自然、歴史、伝統や文化などの観光資源を活かして、本庄の魅力を新たに発見していこうという体験型観光プログラムです。
ゼミの後には、戸谷八商店の歴史建物見学も行いました。
◆午前に参加いただいた皆さま
◆午後に参加いただいた皆さま
◆愛宕山神社にて
~諸井時三郎(春畦)氏によって揮毫された『敬神』碑~
◆戸谷八稲荷にて
◆午前の部では、児玉郡美里町ご出身の方や、姉の同級生で、郵便諸井家と縁がある方が来てくださいました。郵便諸井家は、本庄の旧家で渋沢栄一翁とも縁戚関係にある「東諸井家」です。
◆午後の部には、本庄市山王堂の方も参加くださいました。利根川にかかる旧坂東大橋にかつてあった、舗装されていない、上毛電気鉄道の軌道部分のことをご存じでした。
※戸谷家12代目の戸谷間四郎は、「本庄から伊勢崎、大胡」へと向かう電車(上毛電気鉄道)を通そうとしましたが、世界恐慌の影響を受け、工事は中止となり、「上毛電気鉄道・本庄線」は幻となってしまいました。
◆渋沢栄一翁の偉大な功績
渋沢栄一翁のすごさは、「株式会社」という制度を単なる「お金儲け」の仕組みではなく、「公益心」や「道徳心」に基づくものとして昇華させ、日本全国に広めたことにあります。この制度を通じて、民間が豊かになる仕組みを築き上げたことは、日本だけでなく世界にとっても画期的で奇跡的な出来事です。
◆地方の「リトル渋沢」の視点から
今回のゼミでは、渋沢栄一翁に影響を受けた地方の「リトル渋沢」たちの視点から、渋沢翁が持つ「公益の精神」や「民間力」の素晴らしさをご紹介しました。「リトル渋沢」たちの足跡を辿ることで、その偉業が地方にも広がりを見せていたことがよく分かります。彼らは各地で公益心を胸に銀行や鉄道などの事業を次々に立ち上げ、地域社会の発展に大きく貢献しました。
※「リトル渋沢」の一例(戸谷家の場合)については、よろしければこちらの記事もご覧ください。
◆「本庄のチンチン電車(本庄電気軌道株式会社)」について
大正4年(1915年)、「本庄電気軌道株式会社」、通称「本庄のチンチン電車」が設立されました。この鉄道は、地元の方々159名の出資によって実現し、【本庄-児玉間】に埼玉県で2番目の速さで路面電車が走りました。(埼玉県初の路面電車は川越電気鉄道です。)本庄駅を起点に児玉駅までの7.1kmを結び、所要時間は約25分でした。
本庄電気軌道の株主には、後に渋沢家 “ 中の家 ” を継ぐ渋沢市郎氏や治太郎氏、さらに諸井貫一氏、諸井恒平氏、木村九蔵氏といった地元の有力な経済人たちが名を連ねていました。また、設立には戸谷家11代目の戸谷八郎左衛門も関わっています。
この事業は、渋沢栄一翁が語った「しずくの一滴一滴がやがて大河になる」という理念を体現したものと言えると思います。
◆2024年7月には、渋沢栄一翁の肖像が描かれた新一万円札が発行されます。
深谷市出身の渋沢翁が残した「公益の精神」や「民間力」の重要性は、現代にも通じる普遍的なものです。
これからも本庄の歴史を通じて、渋沢栄一翁の偉大な功績を伝えていきたいと思います。このたびは、戸谷八商店での「本庄すまいる日和」に参加くださいました皆さま、ありがとうございました!