~塙保己一先生の偉業が「ほきいち祭」や「触覚本」を通して、埼玉にとどまらず、日本全国へ、また世界中へ~
本庄が世界に誇る偉人「塙保己一先生」の生誕日は、延享3年(1746年)5月5日です。
令和5年(2023年)5月5日、偉人塙保己一先生の生誕を記念して、本庄市児玉文化会館セルディにて、「第1回ほきいち祭」が開催されました。
【第1回 ほきいち祭】
◆開催日:令和5年5月5日(金・こどもの日)
◆会場:本庄市児玉文化会館セルディ(本庄市 児玉町金屋728-2)
◆「ほきいち祭」ホームページ:https://www.honjonet.net/555/
◆「総検校塙保己一先生遺徳顕彰会ホームページ」:http://www.hanawahokiichi.org/
◆「塙保己一史料館」ホームページ:http://onkogakkai.com/
◆主催:ほきいち祭実行委員会
(会長:竹並万吉氏/事務局長:秋山 守氏/企画担当:田中 学氏)
◆釜江常好先生の『触覚本 マンガ塙保己一』についての講演
『触覚本 マンガ塙保己一』を開発された釜江常好先生がご来場し、講演会を行ってくださいました。
講演の中で、釜江先生がニュートンの親友である全盲のイギリスの数学者 ニコラス・サンダーソン(Nicholas Sanderson)についてご紹介されました。
塙保己一先生が日本の文化全体のアーカイブ化事業を始めたのと同じように、全盲の数学者であるニコラス・サンダーソンは、ニュートンの科学史的な大転換の業績をアーカイブの形で10冊の本『The Elements of Algebra, in Ten Books』にまとめられました。ニコラス・サンダーソンがいなければ、ニュートンの業績は正確に伝えられなかったのではないかと言われています。
ニコラス・サンダーソンは、ケンブリッジ大学のルーカス教授職の4代目を務めています。
(ニュートンは2代目・ホーキング博士は17代目を務めています。)
釜江先生は、現在アインシュタインの一般相対性理論を学びたいと言っている早稲田大学の全盲の学生さんを指導されています。その際、ニコラス・サンダーソンの例をあげて、応援されているとのことです。
※主催・共催・特別応援物・後援・協賛・特別協賛企業・団体一覧については、「ほきいち祭」HP(主催・共催・応援・協賛)PDF1.5MB)をご覧ください。
◆「第1回ほきいち祭 ホール・プログラム」
「ほきいち祭」セルディホールでの公演(入場無料)
午後1時~
①本庄・美里・神川・上里のご当地ソングとウクライナ応援ソング 歌:TAONさん
②『塙 保己一が遺したもの』上映(協力:SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ)
③「保己一先生 日本を晃す」他3曲 ほがらかむさし子宝合唱隊(児玉町)
午後3時~
④子ども群読劇「塙保己一物語」
会場には、地元本庄市・美里・神川・上里3町のゆるキャラ、「はにぽん」「みむりん」「神じい&なっちゃん」「こむぎっち」に加え、深谷市から人気抜群の「ふっかちゃん」も登場されました。
◆子ども群読劇『塙保己一物語』
本庄市では、平成27年(2015年)、地元の偉人「塙保己一先生」の偉業を称え市民に広めようと、「塙保己一物語劇化実行委員会」(会長:竹並万吉氏)が立ち上げられました。
これまで、平成28年(2016年)から平成30年(2018年)までに3回、大人が中心になった、市民による手作りの群読劇『塙保己一物語』が上演されました。(原作・脚本:根岸久氏、潤色・演出:志村智雄(前進座)氏、撮影・編集・印刷:田中学氏)
言葉、視力、聴力を失った三重苦の「ヘレン・ケラー」にとって、塙保己一先生は幼少のころから心の支えでした。
米アラバマ州にあるヘレン・ケラーの生誕地『アイビー・グリーン』では、ヘレン・ケラーの生誕日の6月27日に合わせて毎年6・7月に野外劇場で「The Miracle Worker(奇跡の人)」という演劇が上演されています。
竹並会長は、本庄でも塙保己一先生の生誕日5月5日に合わせて、子どもたちによる群読劇『塙保己一物語』を毎年上演したいとの強い思いから、令和2年(2020年)に「子ども劇団」を設立されました。
子ども劇団による最初の群読劇『塙保己一物語』は、保己一先生の生誕日にあたる令和3年(2021年)5月5日、「はにぽんプラザ(本庄市)」にて、上演されました。
(原作・脚本:根岸久氏、潤色・演出:富丘富士子氏、撮影・編集・印刷:田中学氏)
◆子ども群読劇『塙保己一物語』【これまでの経緯と上演記録】
《平成27年(2015年)》
●「塙保己一物語劇化実行委員会」(会長:竹並万吉氏)が設立。
《2016年~2018年まで》
●大人による、市民による手作りの群読劇『塙保己一物語』が開催。
《令和2年(2020年)》
●「塙保己一物語劇化実行委員会」の竹並万吉会長が「子ども劇団」を創設。
《令和3年(2021年)》
●5月5日(保己一先生の生誕日)、子どもたちによる群読劇『塙保己一物語』が、本庄市市民活動交流センター「はにぽんプラザ(本庄市)」にて初上演。
●10月3日、「本庄市児玉文化会館セルディ」にて上演。
●12月18日、塙保己一先生没後200周年を記念して「本庄市民文化会館」にて上演。
《令和4年(2022年)》
●5月5日(保己一先生の生誕日)、「ははにぽんプラザ」にて上演。
●8月26日、深谷市の「養護盲老人ホームひとみ園の演劇ホールにて上演。
●11月23日、「本庄市立本庄南小学校」にて上演。
《令和5年(2023年)》
●2月18日、「本庄市金屋小学校」にて上演。
●5月5日(保己一先生の生誕日)、今回の『第1回ほきいち祭』での上演(会場はセルディ)。
※子ども群読劇「塙保己一物語」の上演動画や、制作記については、下記のホームページ(田中学様作成HP)をご覧ください。http://www.hanawahokiichi.org/gundoku.html
◆「ほきいち祭」書籍展示・販売ブース
【セルディホールでの展示・販売】
・俳画展示(ほがらか遊水館・むさし青麦館「子宝創作俳画展」)
・腹話術と紙芝居実演「やさしい塙保己一先生のお話」
・塙保己一先生の小型銅像をなでて記憶力にあやかる
・「全国脊髄損傷者連合会 埼玉支部」様の展示
・書籍の展示・販売(釜江常好先生が開発されたITを活用した『触覚本 マンガ塙保己一』・温故学会書籍)
・塙保己一先生の『群書類従』刷り体験
・保己一先生のお母さんゆかりの巾着販売
・和菓子屋の保己一先生関連のお菓子販売(梅月堂さん、マロンさん)
・「総検校塙保己一先生遺徳顕彰会」の会員募集・受付
・2階には楽しい子ども広場と昼食会場(屋外も)
◆腹話術と紙芝居 ~楽しんで塙先生を学ぶ~
腹話術を使ってボランティア活動をされている笠原貞夫さんによって、塙保己一先生に関する腹話術が実演されました。
また、「本庄ほんの会」様によって、塙保己一先生の子供時代についての紙芝居が行われました。
◆『群書類従』刷り体験
児玉高校の皆さんが「版木刷り体験」ブースのボランティア活動を行ってくださいました。
◆『聖徳太子十七箇条憲法』
※「ほきいち祭」では企画担当としてご尽力された田中学氏は、「群書類従と十七箇条憲法」(田中学氏著)の中で、塙保己一先生の偉業や、「聖徳太子十七箇条憲法」の版木についての紹介をされています。
さらに、日本最初の成文法である「聖徳太子十七箇条憲法」を、塙保己一先生はなぜ、『群書類従』の「律令部」ではなく「雑部」に収められたのかについて、とてもわかりやすく解説してくださっています。
詳細はこちらをご覧ください。(「総検校塙保己一先生遺徳顕彰会」ホームページの「管理人紹介」・「群書類従と十七箇条憲法」PDF:15.5MB)
◆釜江常好先生『触覚本』展示・販売ブース
◆「ほきいち祭」での釜江常好先生の講演
~令和5年(2023年)5月5日本庄市児玉文化会館セルディにて開催~
「ほきいち祭」は、本庄市出身の塙保己一先生の偉業を称えるイベントです。
塙保己一先生は、カメラもレコーダーもない時代に、「世のため、後のため」日本の壮大な全歴史文化をデータベース化した全盲の天才学者です。
この4月から、TBS日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』が始まりました。主演の福山雅治さんは、FBIに所属する全盲の天才捜査官として描かれており、高視聴率を得ています。
同じように本庄市においても、全盲の天才学者である塙保己一先生に対する注目が徐々に広がり、今回の「第1回ほきいち祭」につながりました。
そんな中、本庄市の郷土史を広める活動をしている僕は、『触覚本 マンガ塙保己一』という情報技術を活用した、画期的な教材をお作りになった東大・スタンフォード大名誉教授の釜江常好先生を本庄にお呼びする企画を担当しました。
皆様のおかげで、釜江先生がお作りになった触覚本の実演や、先生の講演会等も盛況のうちに終えることができました。協力してくださった方々、本当にありがとうございました。
講演会等が全て終わった後、釜江先生とお食事をさせていただきました。先生は、今後の触覚本に関する見通しを教えてくださいました。3つの段階を踏んで触覚本を広めていきたいとおっしゃっていました。
第1弾として、
全盲の国学者である塙保己一先生の伝記である『触覚本 マンガ塙保己一』を作成。
第2弾として、
『触覚 STEM教材』を作成。
(STEMとは、科学・技術・工学・数学の教育分野を総称した言葉です。)
第3弾として、
オックスフォード大学出版の教養入門書《A Very Short Introduction》シリーズ、それを触覚本にするという計画が今まさに進行中とのことです。(既に資金の援助の契約と、オックスフォード大学出版との契約は完了したとのことです。)
本庄市で生まれた塙保己一先生から始まった計画が、英語圏で最も歴史の長い大学である、オックスフォード大へとつながるお話が聞けて、本当に心から嬉しく感じました。
★オックスフォード大学出版の教養入門書《A Very Short Introduction》シリーズを『触覚本』に
※『触覚本』第3弾としての計画がまさに今進行中であるとのことです。
(既に資金の援助の契約とオックスフォード大学出版局との契約は完了したとのことです。)
《Very Short Introductions (VSI)》 は、オックスフォード大学出版局(OUP)から出版されている書籍シリーズです。1995年に始まり、現在までに700以上のタイトルが出版されています。
新しい見解を盛り込みながら、専門家が難解なテーマをわかりやすく説明しています。
1冊1テーマのコンパクトな入門シリーズで、そのテーマの面白さは何か、いま何が問題になっているのか等、これ1冊でテーマの全体像を概観することができます。
歴史や政治、宗教、哲学、科学、時事問題、ビジネス、経済、芸術、文化、宇宙論まで、多様な話題が取り上げられており、世界各国の評論家からの評価も高いです。
一般の方や、大学生、研究者まで幅広い層から愛読されているほか、大学の授業にも採用されるなど、幅広く活用されています。販売部数は全世界で1,000万部を超え、53ヶ国語の言語に翻訳されています。
※2022年4月7日(木) 『触覚本 マンガ塙保己一』は、本庄ライオンズクラブ様のご支援により、「埼玉県立特別支援学校 塙保己一学園」に120冊寄贈していただきました。
(2022年11月7日に、釜江先生はZoomにてご講演をなさり、塙保己一学園の生徒の皆さんや先生方に喜んでいただけたとこのとです。)
◆「塙保己一先生・少年像」(本庄早稲田駅)と「塙保己一先生の看板」(JR高崎線本庄駅)
ありがたいことに、「JR本庄早稲田駅」北口には、平成28年(2016年)、塙保己一誕生195周年と本庄市・児玉町合併10周年を記念して、「総検校塙保己一先生遺徳顕彰会」によって、塙保己一先生の少年銅像が建立されました。
(塙保己一(辰之助)少年は、宝暦10年(1760年)に江戸に旅立ちました。背中には「お宝箱」(身の回りの物を入れた素麺箱)の風呂敷包を背負い、帯には、母の形見の「巾着」をつけています。)
JR高崎線の「本庄駅」南口には、先日(2023年5月16日)、本庄ロータリークラブ(佐藤 賀則会長)創立60周年記念事業(本庄ロータリークラブは、1963年5月15日創立の伝統あるクラブです。)として、JR本庄駅南口に「塙保己一先生の大きな看板」が寄贈されました。
JR本庄早稲田駅だけでなく、本庄駅に塙保己一先生の偉業を称える素晴らしい看板ができてうれしいです。
◆「塙保己一先生ゆかりの史跡めぐり」スタンプラリー
■スタンプラリー①「塙保己一記念館」 ②「実相寺」
■スタンプラリー③「塙保己一生家」 ④「龍清寺」 ⑤「塙保己一公園」
■⑥「御霊稲荷神社(ごれいいなりじんじゃ)」 ⑦「検校面田(けんぎょうめんでん)の碑」 ⑧「セルディ」(ゴール)
「セルディ」では、ガリガリ君や、つみっこ、クリクラさんのお水の配布サービスがあり、大好評でした。
「御霊稲荷神社(ごれいいなりじんじゃ)」は、保木野村と神川町新里村の村境に鎮座していた「御霊神社」(別当:龍清寺)と、もともと保木野村に祀られていた「稲荷神社」(別当:福泉院)が合祀されてできた神社です。
明治40年(1907年)に、「御霊神社」は「稲荷神社」に合祀され、「御霊稲荷神社」に改称されました。
塙保己一先生は幼少のときに、目を治すために、福泉院を通して「多聞房」と命名されました。
保己一先生は、天明3年(1783年)に検校(けんぎょう)になった後に、稲荷神社に「飾太刀(かざりたち)」を奉納しています。「飾太刀」は、令和4年に発見され、現在は「塙保己一記念館」にあります。
※塙保己一先生の奉納刀(飾太刀)については、「総検校塙保己一先生遺徳顕彰会ホームページ」の《奉納刀》をご覧ください。
「ほきいち祭」実行委員会会長の竹並万吉様が会議で何度もおっしゃっていた通り、当日は青天に恵まれ、初めての企画にも関わらず、800人近くもの参加者があったこと、本当に嬉しく思います。
竹並会長肝入りの企画であった「巨大鯉のぼり」(加須市)と児玉郡市のゆるキャラが勢揃いし、なおかつ、全国的な人気のあるふっかちゃんも参加してくれ、お祭りの名に相応しい、賑やかな場になり、参加されていた女性の方や、子どもたちが特に喜んでいる姿を目にしました。
私が担当したセルディの場所も企画担当の田中学様が様々な工夫をされたおかげで、好評でした。
特に、ブースの並び(触覚本紹介、温故学会、『群書類従』刷り体験、保己一先生のお母さんゆかりの巾着販売、和菓子屋の保己一先生関連のお菓子販売、腹話術のお披露目、俳画展示)に工夫が見られ、参加者たちに何度もお褒めの言葉をいただきました。
繰り返しになりますが、皆様のおかげで、私が担当した釜江先生の触覚本の展示・販売コーナーや、講演会等も盛況なうちに終えることができました。協力してくださった方々、本当にありがとうございました。
釜江先生からは、触覚本に関する今後の見通し(3段階)を教えていただきました。
【第1弾】として、
全盲の国学者である塙保己一先生の伝記である『触覚本 マンガ塙保己一』を作成。
【第2弾】として、
『触覚 STEM教材』を作成。
(STEMとは、科学・技術・工学・数学の教育分野を総称した言葉です。)
【第3弾】として、
オックスフォード大学出版の教養入門書《A Very Short Introduction》シリーズ、それを触覚本にするという計画がまさに今進行中であると教えていただきました。
(既に資金の援助の契約とオックスフォード大学出版局との契約は完了したとのことです。)
本庄市で生まれた塙保己一先生から始まった計画が、英語圏で最も歴史の長い大学である、オックスフォード大へとつながるお話が聞けて、本当に心から嬉しく感じました。
釜江先生、このたびは本庄市までご来場くださいまして、本当にありがとうございました。
今回、「第1回ほきいち祭」が開催されたおかげで、釜江先生にも実際にお会いすることができ、塙保己一先生の世界的な偉業のことを改めて皆さまと分かり合うことができたことがとてもありがたく、非常に有意義な時間となりました。
釜江先生は、「ほきいち祭」のようなイベントを通して、塙保己一先生の名前が埼玉にとどまらず、日本全国へ、また世界中に知れ渡ってほしいと希望されていました。
このたびは、「ほきいち祭」実行委員会の竹並万吉会長をはじめ、秋山守事務局長、企画担当の田中学様、本庄市議会議員(保己一出世クラブ 代表)の山田康博様、"SAION" 咲玉音響サービス様、多くのボランティア関係者の皆様方のご尽力に心より感謝申し上げます。