2022年3月25日(土) 「NPO法人川越きもの散歩」代表の藤井 美登利先生が『NHK大河ドラマ主人公 渋沢栄一の活躍を今に伝える県境の魅力めぐり【その10】』を公開し、本庄市の「黒澤織物」さんを取り上げ、本庄絣(ほんじょうかすり)について紹介してくださいました。

~顔の見えるきもの作り~

 


◆『NHK大河ドラマ主人公 渋沢栄一の活躍を伝える県境の魅力めぐり(その10)』

【本庄絣・黒澤織物 繭からのきもの作り~(本庄市)】

 

藤井先生は、2021年4月より、埼玉県北部地域振興センター本庄事務所のサイトにて、NHK大河ドラマ主人公 渋沢栄一の活躍を伝える県境の魅力めぐりというテーマで連載をされています。

 

今回は、シリーズ最終回です。

藤井先生が、「本庄絣(ほんじょうかすり)」を製作されている「黒澤織物」さんとコラボレーションして取り組まれたご活動『顔の見えるきもの作り』や、本庄織物を引き継ぐ現代の担い手の方々ついてご紹介してくださいました。

 

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【その10】本庄絣・黒澤織物~繭からのきもの作り~(本庄市)(←こちらをクリック)

 

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藤井先生の『顔の見えるきもの作り』は、絹文化のすばらしさを多くの人に伝え、養蚕文化の振興・継承につながるご活動だと感銘を受けました。

繭や、生糸、織物の「生産者」と「購入者」が交流することによってお互いに信頼関係が生まれ、「生産者」にとっては、購入者の要望や反応を身近に感じることによって、ものづくりのよろこびがより一層深化し、「購入者」にとっては、絹文化への理解や関心、地元への愛着が醸成されると思うからです。

「きものについての地産地消」という考え方は、先人が培ってきた埼玉県の絹文化について理解し、関心を深め、継承させていくことにつながる素晴らしい考え方だと思いました。

 

また、本庄絣がふるさと納税の返礼品として使われていたり、2018年の「六高祭」(※現在は七高祭)での「本庄織物」をテーマにしたファッションショーや、内原絵美さんによるバッグとのコラボレーション、W@nderFabric(ワンダーファブリック)さんによるキャップとのコラボレーションなど、新しい展開をみせていることもご紹介していただき大変勉強になりました。

 

 


◆藤井 美登利(ふじい みどり)先生

藤井美登利先生は、NPO法人『川越きもの散歩の代表理事として毎月28日に、川越での「きもの散歩」の開催をされています。

また、専門家ボランティア共助仕掛人として、6年間埼玉県庁に勤務され、市民活動団体やNPO法人、企業等のマッチングを行い、活力ある地域づくりに貢献されてこられました。 

さらに、「川越むかし工房」を設立し、川越の町雑誌『小江戸ものがたりの編集発行(2021年8月現在第14号まで発行)や、さいたま絹文化研究会(秩父神社・高麗神社・川越氷川神社により結成)での会報を担当される等、まちづくりや伝統文化保存のため、多彩なご活動をされている方です。

 

【藤井美登利先生のホームページ・論文等】

 

きもの×まちづくり 藤井美登利

(※藤井美登利先生のプロフィールやご実績等が掲載されています。)

NPO法人川越きもの散歩

(※藤井美登利先生が代表を務められていらっしゃいます。)

前橋、川越、横浜の絹のものがたり

(※藤井先生が作られたホームページ)

川越 小江戸ものがたり(川越むかし工房)

(※藤井先生が編集長を務められている川越の町雑誌)

※川越一番街の書店「本の店太陽堂」(埼玉県川越市幸町7−5)さんや、「小江戸まるまる屋」さんのWEBサイトで購入できます。

さいたま絹文化研究会 

 (※会報誌の作成を藤井先生がなさっています。)

 

『官営富岡製糸所長・速水堅曹をめぐる人々~明治黎明期の起業家 清水宗徳の足跡をたどる~』(さいたま絹文化研究会 藤井美登利氏、2020年)PDF:1.62MB

 


◆ご著書『埼玉きもの散歩』

~絹の記憶と手仕事を訪ねて~(さきたま出版会)

『埼玉きもの散歩―絹の記憶と手仕事を訪ねて』(藤井 美登利氏著・さきたま出版会)
『埼玉きもの散歩―絹の記憶と手仕事を訪ねて』(藤井 美登利氏著・さきたま出版会)

◆本庄絣(ほんじょうかすり)

本庄織物は、本庄市および児玉郡下で産する絹織物です。始まりは農家の副業から生産されだしたもので、もともとは、農家の娘が家の養蚕時の繭から自家製糸を行い、ふだん着として太織りを製織(せいしょく)したのが始まりといわれています。

工程のほとんどが手作業で行われ、絹糸を染めてから織物を織る「先染め」によって作られています。

現在では、「本庄絣(かすり)」として埼玉県の伝統的手工芸品に指定されています。

時代の流れもあり、現在では「黒澤織物」さん「古澤織物」さんの二軒のみが今もその伝統を受け継いでいます。

 

本庄織物「本庄絣」
本庄織物「本庄絣」

◆黒澤織物さん

「黒澤織物」の伝統工芸士の「黒澤 仁さん・かつ代さんご夫婦」
「黒澤織物」の伝統工芸士の「黒澤 仁さん・かつ代さんご夫婦」
「黒澤織物」後継者でご夫妻の長女の「反町 眞弓さん」
「黒澤織物」後継者でご夫妻の長女の「反町 眞弓さん」

■黒澤織物さんのポケットチーフ

本庄駅南口複合施設の「テラスバ本庄」さんにて購入

「埼玉伝統工芸手工芸品『本庄絣』は、江戸時代に野蚕(やさん)を使った ”銘仙(めいせん)” の基となる織物の生産から始まります。明治時代には、本庄伊勢崎銘仙(ほんじょういせさきめいせん)として、日本全国に広まりました。

伝統工芸士の黒沢 仁・かつ代 夫婦が絹糸にこだわりながら、昔ながらの技法でひとつひとつ丁寧に織りあげております。」(黒沢織物さんの説明用紙より)

 

※黒澤織物さんによる「本庄絣」の実演につきましては、こちら(伝統工芸開館物産館さんの facebook)をご覧ください。  

 

(「テラスバxカフェ」さんのホットキャラメルラテ)


(『小江戸ものがたり』第1号~15号)

※川越一番街の書店「本の店太陽堂」(埼玉県川越市幸町7−5)さんや、「小江戸まるまる屋」さんのWEBサイトで購入できます。

 

藤井美登利先生、一年間にわたっての『渋沢栄一の活躍を今に伝える県境の魅力めぐり』シリーズの取材や執筆、本当にありがとうございました。

「繭」「生糸」「織物」といった、日本の近代化に一番貢献してくれた産業のダイナミックさを知るには、個別の郷土史を深めていくだけではダメで、地域を超えた横断的な視点をもって、足を使って広範囲の地域をつなげて、研究する必要があります。

藤井先生は、そういった思いから、『前橋・川越・横浜 絹のものがたり』というカタチに結実する、魅力的で先進的な活動をなさっています。

 

一方、2001年から始めている、先生が代表を務める『小江戸ものがたり』では、川越に焦点をしぼり、お祭りや文化、職人、経済人などを取材なさっています。

2022年4月現在では『小江戸ものがたり』(※上記写真参照)は第15号にもなっています。20年以上にもわたって、川越の奥深さを多岐にわたって発掘なさっていこうという先生の熱意に感動いたしております。

 

先生は、様々な地域の人々に取材するフットワークの軽さと、丁寧に文化を掘り下げ、現在は埋もれがちな先人の偉業に光をあて、一般の方にもわかりやすく伝える文章を発信し続けてくださっています。

 

そういった実績のある方に、埼玉県の北部地方の魅力を取材していただき、この一年間本当にありがとうございます。

これからも藤井先生にはぜひ埼玉県北部にかかわっていただければと、切に思います。