~2019年の「こだま芸術祭」で展示されていた浅野 暢晴(あさの のぶはる)さんの作品「トリックスター百鬼夜校」も展示されていました~
2021年11月10日(水) 『中之条ビエンナーレ2021』に行ってきました。
2年に1度開かれる『中之条ビエンナーレ』は、中之条町を舞台に開催される現代アートの祭典です。
2007年から始まり、今年で8回目です。
今回は、新型コロナウイルスの影響で現地での開催が延期され、約1か月遅れての現地開催となりました。
期間:2021年10月15日(金)~11月14日(日)
エリアは、5つの鑑賞エリアに分けられています。
中之条市街地(なかのじょうしがいち)・伊参(いさま)・四万温泉(しまおんせん)・沢渡暮坂(さわたりくれさか)・六合(くに)。
今年は、展示会場のうち、中之条市街地エリアの『旧廣盛酒造』と、四万温泉エリアの『旧第三小学校』の2か所の会場の作品を観させていただきました。
『旧第三小学校』には、2019年11月に埼玉県本庄市で「こだま芸術祭」が開催された時に、展示会場となっていた戸谷八商店に浅野 暢晴(あさの のぶはる)さんが作品を展示してくださいました。(浅野さんのたくさんのファンの方が遠くからトリックスターに会いに来てくださいました。)※その時の様子はこちらをご覧ください。
今回の「中之条ビエンナーレ2021」では『トリックスター百鬼夜校』が展示されているとのことで、とても楽しみに展示会場「旧第三小学校」に向かいました。
国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ2021年」
~PARAPERCEPTION- 知覚の向こうから~
■【展示会場】群馬県中之条町の約40か所
(エリア)中之条市街地(18)/伊参(58)/四万温泉(15)/沢渡暮坂(15)/六合(16)/WEB(1)
■【期間】2021年10月15日(金)~11月14日(日) 9:30-16:00
■【パスポート】当日1500円 / 高校生以下 鑑賞無料
■【参加加アーティスト】125組
■【主催】中之条町 / 中之条ビエンナーレ実行委員会 / 中之条ビエンナーレ運営委員会
■中之条ビエンナーレ 国際現代芸術祭 NAKANOJO BIENNALE
【四万温泉エリア・旧第三小学校】
◆『トリックスター百鬼夜校』/浅野 暢晴(あさののぶはる)氏
浅野 暢晴さんの「トリックスター百鬼夜校」、素晴らしかったです。
異形のもの(トリックスター)たちが木造の古い校舎の中で堂々と百鬼夜行している姿に感動しました。
いろんな所に潜んでいるトリックスターを探すのも楽しかったです。
◆『一人称劇場』/第二次谷杉(ミミトメ)氏
「演劇の枠組みを援用し、鑑賞者の主体的な参加によって成立する演劇インスタレーションです。まわりに人がいる時に、①オブジェと同じポーズをしてください。②指定されたセリフを小さく発声してください。この学校に通っていた人や会ったこともない人のセリフを声に出すことで、自分のなかに他人をほんの少しインストール。そして、他の観客が同じようにささやくのを観察してみてください。作品と自分の身体の関係を考え、鑑賞という行為を拡張するちいさな方法です。」(中之条ビエンナーレ2021 HPより)
◆『何が聞こえる』/春田 美咲(はるた みさき)氏
「2 年前、旧第三小学校で制作していたら室内中にサイレンの音が大音量で鳴り響いた。近場で熊が出たらしい。その時 1 人だったのでとても怖かったのを覚えている。なぜ怖かったのか考えた。自分以外に誰もいないと分かっているのに、何かそこにいるんじゃないかと探ろうとして耳が敏感になっていたからだと思う。そういった聞こえてくる音以外のものから得体の知れないものを想像して、頭の中で膨らんでいくのが怖くもあれば面白かったのでその感覚を作品にしたいと思い制作する。」(中之条ビエンナーレ2021 HPより)
【中之条市街地エリア・旧廣盛酒造】
◆『真神』“MAKAMI (Deified Wolf)“/西島 雄志(にしじま ゆうじ)氏
「真神とはニホンオオカミが神格化したもの。「存在」「気配」「生命」を表現しようとしたとき「神」に行き着いた。気高く偉大な雰囲気を纏った「神」的なものを視覚化した。」(中之条ビエンナーレ2021 HPより)
◆『世界最新の洞窟壁画』/太田 祐司氏
「世界最古の洞窟壁画群は絵画史の最初に位置づけられている。それでは世界最新の洞窟壁画とはどんなものか?誰かが今の時代に洞窟の壁に絵を描いたとしてもそれは時間経過とともに古くなる。でも、もし網膜に映る前のイメージを壁画としてみせることができればそれは最新の洞窟壁画と言えるのかもしれない。コロナ渦の私たちは、洞窟に住み壁に写る影絵のみを見て生きている人間のように引き篭りがちな生活を送っている。私の作品は洞窟内で見る影絵のようなものだ。長い洞窟を出た時私たちはそこにどんな現実を見るのだろう。」(中之条ビエンナーレ2021 HPより)
◆『遠い山』/チュアン・ホー(Chuang Ho)氏
「この作品では中之条の観客の皆さんが、架空の、不安定な、アニメーションとなった遠い台湾の光景を見ることを望んでいる。COVID-19 は私たちに、それぞれの居場所にいるお互いを意識させる。私は台湾でアニメーションを描き、作品は展示会場へ到着する。小さく、ひっそりと置かれたその作品は、私の代わりにある意識のようなものだ。」(中之条ビエンナーレ2021 HPより)
◆『まちのおもてをなぞる』/林 麻依子(はやし まいこ)氏
「離れた場所からこの地域を眺めると、人々が見せたい、大切に思う土地の姿が見える。目に映るものはあくまで表面だけれど、現されることで、それも真実になっていく。日常と非日常、現実と理想の合わさった「おもて」をなぞるように、土の表面を刻む。やきものに残る私の行為の痕跡が立ち上がり、景色をつくる。一つの白い影が案内役です。」(中之条ビエンナーレ2021 HPより)
■https://www.maiko-hayashi.com/
◆『Windgraph -Nakanojo-』/鉾井 喬(ほこい たかし)氏
◆『同期する理由』/三好_ 槇田氏
「自然界には、カエルの鳴き声、ろうそくのまたたき、橋の崩落など多くの「同期現象」が存在する。まるで「意思」があるように見える「意思」のない科学現象である。今、私たちの生活は「意思」のない新型コロナウイルスへの緊張に曝されている。酒蔵としての時が止まった場所で、振り子のついたモジュールは、コチコチと同期と非同期を繰り返す。その動きと共に、緊張と緩和、同調と非同調、抑圧と解放、あるいは、これらの境界を体験する。」(中之条ビエンナーレ2021 HPより)
■https://miyoshiyuki.com/miyoshimakita/
◆『かみさま(私の、あるいはもしかしたらあなたの)』/白石 綾氏
中之条市街地エリア「旧廣盛酒造(きゅうひろもりしゅぞう)」
■中之条町ふるさと交流センター「つむじ」
地産の食材を活かしたカフェや、伝統工芸品や作家の1点物などが揃う雑貨ショップ、ワークショップの開催、アートの展示など、文化や芸術に気軽に触れることができる施設。
(群馬県吾妻郡中之条町大字中之条町938)
浅野 暢晴さんの「トリックスター百鬼夜校」マスキングテープ(ガチャガチャは売り切れでした。)
2年に1度開催される「中之条ビエンナーレ2021」、今回もとても楽しかったです。
時間が足りず残念でしたが、日常とは違う空間を感じさせてくれる見事な作品を観ることができて、新鮮な感覚を得ることができました。
新型コロナウィルスの影響で開催が1か月も延期になるという大変な事態にながらも、素晴らしい会場を提供してくださった中之条の地域の皆様と、アーティストの方々にありがたい気持ちになりました。