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2020年12月9日(水)戸谷八商店にて第2回目の「本庄すまいる日和」が開催されました。

 

 

 

2020年12月9日(水)、「本庄すまいる日和2020」が戸谷八商店にて行われました。

今年の本庄すまいる日和は、10月14日(水)の開催に続いて2回目です。

※10月14日開催の時の様子についてはこちらをご覧ください。

 

本庄すまいる日和とは、本庄市がもっている豊かな自然、歴史、伝統や文化などの観光資源を活かして、本庄の魅力を新たに発見していこうという体験型観光プログラムです。

※本庄すまいる日和についての詳細はこちら(本庄市観光協会HP)へ

 

戸谷八商店では、『本庄宿草分け 戸谷八から見た本庄歴史探訪』と題しまして、本庄の歴史を辿らせていただいていただきました。ゼミの後には、戸谷八商店の歴史建物見学も行いました。 

 

 

 


◆午前の部

 

 

 

 


◆午後の部

 

戸谷八商店で行われた本庄すまいる日和では、参加してくださった方からいろんなお話を聞くことができました。

 

『本庄地元学だより』を愛読書にされている小暮様からは、本庄市にある愛宕山神社と堀川病院が、映画「ワルボロ」のロケ地となっていたことをお聞きしました。

 

※『ワルボロ』はゲッツ板谷氏の人気小説を映画化した作品(2007年・隅田靖監督)です。立川市が舞台となっており、松田翔太さんと新垣結衣さんが出演されています。

 

※『本庄地元学だより』(本庄まちNET発行)は、戸谷正夫氏が代表を務める本庄まちNETの会員兼アドバイザーとして研究されている増田未来望(一裕)氏のご著書です。増田氏は、歴史、文化、人文地理のみならず、食育、経済、政治や自然などさまざまなジャンルを対象にしながら本庄に根付いたものを研究し、本庄のまちづくりのために貴重な提案をしてくださっています。 

 

また、𠮷川貞夫様からは、ご著書『私の中国旅行』(𠮷川貞夫著)をいただきました。現地にいって、その土地における様々な要素のつながりや、歴史的経緯などを読み解く「野外考古学」の面白さが伝わってくるご本でした。ありがとうございます!!

𠮷川貞夫様、𠮷川照章様ご兄弟は母のいとこで、長年地域のために活動なさっています。お二人にお会いできて母も喜んでいました。 

 

『本庄地元学だより』(増田 未来望著)
『本庄地元学だより』(増田 未来望著)

 

 

映画「ワルボロ」 本庄もロケ地となっていました
映画「ワルボロ」 本庄もロケ地となっていました

 

 

吉岡 貞夫氏からいただいたご著書『私の中国旅行』(関東図書)
吉岡 貞夫氏からいただいたご著書『私の中国旅行』(関東図書)

 

 

 


◆本田 豊先生

本庄すまいる日和には、著名な歴史民俗学者である本田豊先生も来てくださいました。

本田先生は、本庄市児玉町ご在住で、埼玉県史編纂委員、東京都立大学の講師を務められました。

ご著書は20冊以上あり、その中で、現地に足を運んで現地の人から話を聞くことの大切さや、歴史資料を地道に集めていくことの重要性を説かれています。

2019年11月には、本庄市立図書館で「『文学作品に見る 本庄のすがた』~知らなかった 本庄のこぼれ話あれこれ~」と題して講演されました。 

 

鉄道(高崎線)、八幡神社、白山神社、陸船車など、本田先生からたくさんの貴重なお話を聞かせていただきました。

「田村本陣」の休泊記録に関して先生がおっしゃられたことも、とても興味深かったです。

 

◆本庄市立図書館でご講演中の本田先生(2019年11月9日)

(本田 豊先生のご著書)

『絵が語る知らなかった幕末明治のくらし事典』(遊子館)
『絵が語る知らなかった幕末明治のくらし事典』(遊子館)

(パンフレット)

 

 


◆田村本陣について

~本田豊先生からご助言をいただきました~

 

「田村本陣」は、本庄宿の北本陣と呼ばれ、参勤交代で多くの大名が宿泊した本陣です。

本庄宿には、中山道をはさんで北側には田村本陣、南側には内田本陣がありました。

(※「本陣」とは、大名や幕府役人などが宿泊した公認の宿舎であり、「脇本陣」とは、お供の人が多人数の場合、予備として設けられた宿舎です。)

 

田村本陣創業のきっかけは、加賀前田候が寛永10年(1633年)、江戸の母訪問の際に本庄宿に宿泊のための本陣を置いたことに始まります。(※この後、幕府は寛永12年(1635年)参勤交代を確立しました。)

 

天保14年(1843年)の『中山道宿村大慨帳』によれば、本庄宿において、本陣は2軒、脇本陣は2軒、旅籠は70軒、人口は4,554人であり、中山道最大の宿場町でした。文久元年(1861年)、第14代将軍徳川家茂に嫁するため、皇女和宮も田村本陣に宿泊されました。

 

田村本陣には「休泊控帳」が28冊残されています。そこには、寛永19年(1642)から文久3年(1863)まで約220年にわたる、田村本陣での宿泊・休憩の人数や料金、本陣からの献上品、通行などの記録※が、詳細に書き綴られています。

 

元本庄市立歴史民俗資料館館長であった故長谷川 勇氏は、この28冊の休泊記録を30年間かけて翻刻(活字化)され、『中山道本庄宿 田村本陣休泊控帳』(さきたま出版会)としてA4サイズ・4冊の形で出版されました。 

 

本田先生は、『中山道本庄宿 田村本陣休泊控帳』は貴重な史料なので、解釈を加えたものも本になればいいのにとおっしゃっていました。

 

約220年にもわたる休泊記録の解説本があれば、江戸時代ならではの一層リアルな「田村本陣」と「本庄宿」を知ってもらえると思いました。 

 

※ 田村本陣休泊控帳には、「日付・上り下りの別・大名(幕府役人・公家・朱印寺社僧侶等)名・休泊別・家老以下家臣名(家臣への献上物)・拝領金・本陣入人数・納品した白米類等(味噌等を含む)・献上物・荷物数・必要備品・以下備忘記事(目見得・翌日出立時刻・駕篭類の収納場所・番所有無)」などが掲載されています。中には御遺体、御遺骨も運ばれた様子や、浅間山の噴火、善光寺地震、大火の記載などの記録もあり、記載項目は全部で6,935件あります。

 

 

 

 

◆『田村本陣 休泊控帳』

「田村本陣休泊控帳」(原本) ※旧本庄商業銀行煉瓦倉庫にて展示(2020年10月)
「田村本陣休泊控帳」(原本) ※旧本庄商業銀行煉瓦倉庫にて展示(2020年10月)

 

 

(長谷川豊氏による翻刻本)

『中山道本庄宿 田村本陣休泊控帳』 ※戸谷八商店所蔵 

 


  

この度は、戸谷八商店「本庄すまいる日和」に参加してくださいました皆様、ありがとうございました!!